40年間の仕事のこだわりを動かした一言
わたしの「忘れられない仕事」
こんにちは、こまちです。
わたしには、7年経っても忘れられない仕事があります。
それは、教科書出版会社で営業をしていた時の経験です。
当時、わたしのいた会社はシェアトップながら、中にはどうしても「他社がいい」という先生もいらっしゃいました。
その先生は定年退職して再雇用で働いていて、40年以上他社を使って指導されてきた先生でした。
会社の先輩も、「あの先生は、うちにはならない」。
それでも、その学校の地理専門の先生はこの先生のみで、その高校の地理教科書採択権を持っていました。
わたしの泥臭い教科書営業
話すのが上手くなかったので、ほんとうに泥臭い営業をしていました。
何度も学校に足を運び、お会いした先生方全員に手書きの手紙を会うたびに書く。
お昼を食べるのは15時30分から15時45分の掃除の時間、先生にお会いできないタイミングで。
土日も宿泊先のホテルにこもって、1日50通以上、朝から晩まで手紙を書き続けた日もありました。
その他社を選ぶ先生のところにも、何度も足を運んでいましたが、そもそもこちらの話を聞いていただけない。
もう無理かなと思いましたが、先生の授業での地図帳活用の話をお聞きすると、自分の会社の地図帳が絶対にお役に立てるという確信があり、粘り強く通い続けました。
先生のこころを動かした1ページ
最後はもう、熱意。
先生。ご存知の通り、この東南アジアや南アジアなどは学習量も多く、また近年入試にも出題される傾向が高まっている地域です。
弊社は、今回の大きな改定で、この地域の拡大図を設けております。ぜひご覧ください。
そう言いながら、新しい教科書とともに、自分が学生時代に使っていた地図帳をお見せしました。
へたくそな字で、びっしり書き込んでいる地図帳を見て。
先生と初めて「株式会社●●の営業さん」ではなく、「こじまこまち」として目が合った気がしました。
その後、なぜその会社に入ったのか、教科書編集という仕事をしてどう感じているのか、など。
「地理教育を良くする為に仕事をしている者同士」という対等の立場で会話をしました。
最終的には、「地理嫌いなうちの生徒と話してほしいくらい」と言われました。
その先生は、地図帳だけでなく、教科書も資料集も、「慣れてないからな」と新たに教科書に付属するノートもご採用いただきました。
社会人10年目でやっと気づいた「先生のすごさ」
「同じものを扱っても、売れる人と売れない人がいる。」
以前、トヨタの営業で日本一になった方から、そう伺ったことがあります。
最後は、人。
「あなたが言うなら」。
そういう人になろうと、改めて思いました。
そして今、約10年間社会人を経験して感じるのは、その先生の「40年間以上使い込んでいたものを手放して、新たなものを手にする」すごさ。
自分の営業が先生に届き、価値を提供できた自負はありますが、先生のそのすごさを最近になって感じます。
手放し、掴んで。
先生のように、何歳になっても日々さまざまなチャレンジをし続けます。
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